ブロックチェーンの法的リスク
世界中でのブロックチェーンの利用は大変盛り上がっていますが、そのほとんどは個人や脱法的、もしくは違法な組織の利用となっております。合法的な法人組織が Open Node 方式(Bitcoin や Ethereum メインネットなどの誰でもノード運営ができる方式)のパブリックなブロックチェーンを利用しようときには、様々な法的なリスクに留意する必要があります。
データ移転規制の問題への対処
EU や中国などの国を始め、ある特定の国においては、データの移転規制に関する法律があります。Ethereum を含む Open Node 方式のブロックチェーンは、世界中でノードサーバが運営されているため、ビジネス利用する際には、データ移転規則に抵触するデータを書き込んではならないことに注意する必要があります。
どこの国にサーバがあるかわからないブロックチェーンをビジネスで利用することは、知らず識らずのうちに各国のデータ持ち出し規則に抵触する可能性があるため、場合によっては EU などから巨額の賠償金を求められる可能性があるためです。
Japan Open Chain のノード運営者は日本国内に閉じており、ブロックチェーンに書き込むことで各国のデータ持ち出し規則に抵触する恐れはありません。
データ消失問題への対処
Open Node 方式のブロックチェーン上のデータは一般的には法的に保護されておらず、かつ問題が発生した際には運営者がいないため対処法がなくなる可能性があります。また運営者がいても運営主体が不明確であったり、継続性に嫌疑があったり、世界で広く利用されている方式と異なる独自方式であったりすると、法的、運用的、技術的、セキュリティ的な問題が発生する可能性が高まり、お客様のブロックチェーン上のデータが消失したり、お客様の資産を失わせてしまったり、大事なデータを消失してしまう大きなリスクをおうことになります。
そのため、そのチェーンがどのような組織やコミュニティによって運営されているのか、そのコミュニティは十分に大きく監査されているのか、コミュニティやネットワークが悪意を持った集団に乗っ取られる危険はないのか、特定の資本に管理されていないか、をよく考えた上で利用するブロックチェーンの選定をする必要があります。特に PoW や PoS を採用したネットワークにおいては、51%Attack と呼ばれる 51%のパワーを一つのコミュニティが持ってしまった際にハッキングされる恐れがあり、十分に注意が必要です。
Ethereum は世界最大のコミュニティを持ち、何千、何万ものエンジニアが参加するオープンソース・ソフトウェアで運営されているため、非常に堅牢かつ安心して利用できるブロックチェーンと言えます。しかしながら、それでも Ethereum メインネットにおいては、ノード運営者がノードバージョンを更新しないことによる使用の差異の不具合などにより、一日分のトランザクションデータの一部が消失したり、また従来の仕様とは大きく異る気まぐれな仕様更新などが突然行われることがあります。
Japan Open Chain は、Ethereum コミュニティの恩恵を受けながらも、日本の法律に則った運営者による運営されるため、万が一のときにも日本法にてお客様の情報や資産が守られます。また大きな仕様変更などは日本語・英語での利用者への十分な告知を持って行う方針です。